入稿データの作り方・総まとめ
入稿データの作り方 — サイズ+塗り足し → CMYK → フォント → PDF書き出し → 自己チェックの5ステップ
印刷の入稿データは、たった5ステップで作れます。結論を先に言うと、 ①仕上がり+塗り足し3mmでサイズを決める → ②カラーをCMYKにする → ③フォントを埋め込む(またはアウトライン化)→ ④PDFで書き出す → ⑤入稿前に自分でチェックする。 この順番どおりに作れば、差し戻しの主な原因(塗り足し不足・フォント・サイズ・カラー)を先に潰せて、差し戻されにくくなります(最終的な可否は入稿先印刷所の規定によります)。 このページは各ステップの入口(母艦)です。下の1枚図から、つまずいた論点の詳しい記事に飛べます。
入稿データ作成の全体フロー(この1枚で全部)
どのソフト・どの印刷物でも、入稿データ作りの順番は同じです。上から順に進め、各カードの「→ 詳しく」から論点ごとの記事に入ってください。
仕上がりサイズの外側に全周3mmの塗り足し(裁ち落とし)を足す。例:名刺91×55mm → データは97×61mm。PDF入稿ではトンボは基本不要のことが多い。
画面のRGBのまま入稿すると色がくすむことがある。ネット印刷はCMYKが基本。写真・ベタは解像度350dpi(実寸)も合わせて確認。
→ 詳しく:RGBをCMYKにきれいに変換
フォントが埋め込まれていないと、印刷所の環境で別の書体に置換される。文字はアウトライン化するか、PDFに埋め込みで書き出す。
→ 詳しく:PDFのフォント埋め込み/置換の直し方
書き出しプリセットはPDF/X-1a または PDF/X-4が無難。「裁ち落とし設定を使用」に必ずチェックして、3mmの塗り足し込みで出す。コンビニで刷る時は逆にトンボ・塗り足し不要。
塗り足し・フォント・サイズ・ページ数の4点を入稿前に確認。手で見ると見落とすので、書き出したPDFを機械チェックするのが確実。
ステップ1:サイズ+塗り足しの実寸法表(コピーして使う)
新規ファイルは「データサイズ」で作ります。仕上がりサイズではありません。背景・写真はデータの端(塗り足し線)まで伸ばし、 切れて困る文字・ロゴは「文字安全領域」の内側に置きます。よく使うサイズを実寸でまとめました。
| 用途 | 仕上がりサイズ | データサイズ (全周+塗り足し3mm) |
文字安全領域 (仕上がりから内側3mm) |
|---|---|---|---|
| 名刺・ショップカード | 91 × 55 mm | 97 × 61 mm | 85 × 49 mm |
| ポストカード/私製はがき | 100 × 148 mm | 106 × 154 mm | 94 × 142 mm |
| A6(フライヤー小) | 105 × 148 mm | 111 × 154 mm | 99 × 142 mm |
| A5(チラシ・冊子) | 148 × 210 mm | 154 × 216 mm | 142 × 204 mm |
| B5(冊子・同人誌) | 182 × 257 mm | 188 × 263 mm | 176 × 251 mm |
| A4(チラシ・ポスター) | 210 × 297 mm | 216 × 303 mm | 204 × 291 mm |
| スクエア(小・正方形) | 55 × 55 mm | 61 × 61 mm | 49 × 49 mm |
計算は単純で、データサイズ=仕上がり+6mm(左右で3mm×2、上下で3mm×2)、文字安全領域=仕上がり−6mm。 塗り足しが必要な理由や付け方は 塗り足し3mmの正しい付け方 に、サイズが合わない時の直し方は 仕上がりサイズ・ページ数が合わない時 にまとめています。
基本設定(迷ったらこれ) 解像度 = 350dpi(実寸で。Web用72dpiのままはNG=写真がぼける) カラー = CMYK(ネット印刷入稿時/コンビニはRGBで可) 塗り足し = 全周3mm(背景・写真をデータの端まで伸ばす) 文字 = 仕上がりから内側3mm以上(文字安全領域の中に置く)
ステップ2:カラーをCMYKにする
ディスプレイはRGB(光の三原色)、印刷はCMYK(インクの4色)です。RGBでしか出ない鮮やかな青・緑・蛍光色は、印刷すると沈んだ色に変わります。 ネット印刷に正式入稿するなら、書き出し前にCMYKに変換しておくと仕上がりの色ブレを減らせます。Illustrator/Photoshopは「ドキュメントのカラーモード」をCMYKに、Canva無料版はRGBのまま入稿し印刷所の自動変換に任せる前提で色を濃いめにしておくのが現実的です。
変換でくすませないコツ(K100の黒・リッチブラックの使い分け、蛍光色の代替)は RGBをCMYKにきれいに変換 にまとめています。
ステップ3:フォントを埋め込む/アウトライン化
入稿データで最も多いトラブルの1つがフォント置換です。あなたのPCにあるフォントが印刷所のPCに無いと、勝手に別の書体に置き換わって文字化け・レイアウト崩れになります。対策は2つ。
- アウトライン化:文字を「図形」に変換する。確実だが、後から文字修正ができなくなる(Illustrator=書式→アウトラインを作成)。
- フォント埋め込み:PDF書き出し時にフォント情報をPDFに同梱する。多くのソフトで既定ON。商用利用や埋め込みが許可された書体を使う。
置換されているか/埋め込まれているかの見分け方と直し方は PDFのフォント埋め込み/置換の直し方 を参照してください。
ステップ4:PDFで書き出す(ソフト別の実設定)
- Illustrator:ファイル→別名で保存→Adobe PDF→プリセット「PDF/X-4」または「PDF/X-1a」→「トンボと裁ち落とし」タブで「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェック。トンボは入稿先が要求する時だけ付ける。
- InDesign:ファイル→書き出し→Adobe PDF(プリント)→「トンボと裁ち落とし」で裁ち落とし上下左右3mm(または「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」)。
- Canva:共有→ダウンロード→ファイル形式「PDF(印刷)」→「トリムマークと塗り足し」にチェック。これで全周3mmの塗り足し付きPDFになる(チェック忘れ=塗り足し0mm)。
- Word/PowerPoint:名前を付けて保存→PDF。塗り足し・CMYK・トンボの厳密な制御は不可なので、ネット印刷に出すなら印刷所配布のテンプレートを使うのが最も確実。
- 共通: 書き出したら仕上がりサイズ+6mmになっているか(例:A4なら216×303mm)をPDFのプロパティで確認する。
書き出し設定とトンボの考え方の詳細は PDF入稿のトンボ・書き出し設定、少部数をコンビニで刷る手順は コンビニでPDFを印刷する手順 にあります。
ステップ5:入稿前の自己チェック(4点)
最後に、入稿で差し戻される原因のほとんどは次の4点に集約されます。発注ボタンを押す前に、書き出したPDFで確認してください。
- 塗り足し:全ページ、仕上がりの外に3mmあるか(背景がデータ端まで伸びているか)。
- フォント:すべて埋め込み or アウトライン化されているか(置換されていないか)。
- サイズ:ページサイズ=データサイズ(仕上がり+6mm)になっているか。A4のまま中央に小さく、になっていないか。
- ページ数:表紙・本文の順序やページ数が指定どおりか(冊子の場合)。
✓ この4点は目視だと見落とします。書き出したPDFを当ツールにドロップすると、ページごとに「塗り足し○mm/不足」「フォント埋め込み」「仕上がりサイズ」「ページ数」を一括判定します。原因の一覧と直し方は 入稿が通らない原因チェックリスト へ。
作り方どおりに進めても、最後に詰まるのはたいてい塗り足し・フォント・サイズ・ページ数のどれか。 ネット印刷に有料で出す前に、書き出したPDFを無料のプリフライトにドロップすると、 ページごとに不備の有無が分かります。コンビニで刷るだけなら不要ですが、発注前なら通しておくと安心です。 PDFはサーバに送られず、完全ブラウザ内・アップロード無し。未公開の原稿もそのまま確認できます。
PDFを発注前に無料チェックする →用途別の作り方(テンプレ・実寸つき)
作る物が決まっているなら、用途ごとの実寸テンプレと手順が早道です。サイズや注意点が物によって違うので、下から該当する記事へ。
- 名刺の入稿データの作り方(91×55mm/両面の作り方/自動変換の注意)
- ショップカードの無料テンプレと作り方(Word・Canva・イラレ別)
- コンビニでPDFを印刷する手順(セブン・ローソン/ファミマの実設定)
よくある質問
入稿データはどのソフトで作ればいい?
色・塗り足し・フォントを厳密に管理してネット印刷へ出すならIllustrator/InDesignが最も安定します。手軽さならCanva(無料)、手元にOfficeがあるならWordでも作れますが、塗り足しやCMYKの制御は弱いので印刷所のテンプレートを併用してください。
塗り足しは何mm?トンボは要る?
塗り足しは全周3mmが標準です。デジタル(PDF)入稿ではトンボ無しが正のことが多く、仕上がり+塗り足しのデータだけで入稿します。入稿先の指定に従ってください。詳しくはトンボ・塗り足しは何ミリへ。
RGBのまま入稿しても大丈夫?
コンビニのマルチコピー機はRGBで問題なし。ネット印刷はCMYKが基本で、RGBのままだと色がくすむことがあります。自動変換に任せる場合は色を濃いめにしておくと安全です。詳しくはRGBをCMYKにきれいに変換へ。
解像度はどれくらい必要?
印刷は実寸で350dpiが目安です。Web用の72dpi画像をそのまま大きく使うとぼけます。スマホ写真は実寸サイズで足りるか確認してください。
入稿前のチェックは何を見ればいい?
塗り足し・フォント・サイズ・ページ数の4点です。目視では見落としやすいので、書き出したPDFを機械でチェックするのが確実。原因の一覧は入稿が通らない原因チェックリストにまとめています。
関連する入稿ガイド(各論点の入口)
- トンボ・塗り足しは何ミリ
- 塗り足し3mmの付け方
- RGBをCMYKにきれいに変換
- PDFのフォント埋め込み/置換の直し方
- PDF入稿のトンボ・書き出し設定
- 仕上がりサイズ・ページ数が合わない時
- コンビニでPDFを印刷する手順
- 名刺の入稿データの作り方
- ショップカードの無料テンプレと作り方
- 入稿が通らない原因チェックリスト
- 入稿PDFの不備を発注前に無料チェックする(塗り足し・フォント・サイズ・ページ数)
最終更新:2026-06-29