名刺の入稿データの作り方
名刺 入稿データ 作り方 — 91×55mm+塗り足し3mmで「97×61mm」の実寸テンプレとPDF書き出し設定
名刺の入稿でつまずくのは、ほぼサイズと塗り足しです。結論を先に言います。 仕上がりは日本の標準名刺「91×55mm」、入稿データは全周3mmの塗り足しを足して「97×61mm」で作る。 そして切れて困る文字・ロゴ・QRは、仕上がりから内側3mm(=文字安全領域85×49mm)の中に収める。 この実寸さえ守れば、ネット印刷でまず差し戻されません。まずは下の実寸仕様表をそのままコピーして使ってください。
まず結論:名刺の実寸仕様表(91×55 → データ97×61)
計算はかんたんです。仕上がりの全周に3mmずつ足すとデータサイズ、全周から3mmずつ引くと文字安全領域になります。 標準名刺なら 91+3+3=97/55+3+3=61、安全域は 91−3−3=85/55−3−3=49。 下表の「データサイズ」で新規ファイルを作り、背景はデータの端まで、文字は「文字安全領域」の内側に収めてください。
| 種類 | 仕上がりサイズ | データサイズ (全周+塗り足し3mm) |
文字安全領域 (仕上がりから内側3mm) |
|---|---|---|---|
| 名刺・標準/横(日本) | 91 × 55 mm | 97 × 61 mm | 85 × 49 mm |
| 名刺・標準/縦(日本) | 55 × 91 mm | 61 × 97 mm | 49 × 85 mm |
| 小型・女性名刺(横) | 91 × 49 mm | 97 × 55 mm | 85 × 43 mm |
| 欧米サイズ(スリム) | 89 × 51 mm | 95 × 57 mm | 83 × 45 mm |
解像度 = 350dpi(写真・ベタ背景を使うなら必須。Web用72dpiのままはNG) カラー = CMYK(ネット印刷入稿時。RGBのままだと色がくすむことがある) 背景 = データの端(塗り足し線)まで伸ばす 文字 = 仕上がりから内側3mm以上(=文字安全領域の中)に置く 黒ベタ = リッチブラック(例 C40/M30/Y30/K100)で深く(K100単色は薄く見えやすい)
※塗り足し(裁ち落とし)は、断裁が0.5mm前後ずれても用紙の白フチが出ないようにする「のりしろ」です。 背景色や写真を端まで敷くデザインでは必須。詳しい理屈とミリ数は トンボ・塗り足しは何ミリを参照。
なぜ「91×55mmちょうど」で作ると差し戻されるのか
印刷は大きな紙にまとめて刷り、最後に仕上がりサイズへ断裁(カット)します。この断裁は機械でも わずかにずれます(およそ0.5mm前後)。データを「91×55mmちょうど(=塗り足し0mm)」で作ると、 裁ちずれで用紙の白いフチが出る・逆に端の文字が切れる事故が起きます。 だからデータは97×61mmで作り、背景を端まで伸ばし、文字は内側に逃がす──これが入稿データの基本形です。
一度作れば使い回せる「名刺テンプレ」の作り方
毎回サイズを設定し直すと事故ります。4本の枠を持ったテンプレを1回だけ作って保存し、中身だけ差し替える運用にしてください。 Illustrator / InDesign を例に、テンプレに必ず入れる4要素はこれです。
① 塗り足し線(データの端) = 97 × 61 mm … 背景・ベタはここまで伸ばす ② 仕上がり線(断裁ライン) = 91 × 55 mm … 実際に切られる位置 ③ 文字安全領域(内側3mm) = 85 × 49 mm … 文字・ロゴ・QRはこの中だけ ④ センターガイド(天地左右) = 縦横の中心線 … ロゴ・氏名の配置基準
- 新規ドキュメントを「幅91 × 高55mm・裁ち落とし上下左右3mm・カラーCMYK」で作成。これで①塗り足し線(赤枠)と②仕上がり線が自動で引かれます。
- 長方形ツールで「85×49mm」を中央に置き、③文字安全領域のガイドにする。線だけの矩形にして「ガイドに変換」しておくと印刷されません。
- ④センターガイドを天地・左右の中心に引く。氏名やロゴの位置がブレなくなります。
- この状態を「テンプレートとして保存」(Illustratorは .ait、InDesignは .indt)。次回からはこのテンプレを開いて文字と画像を差し替えるだけです。
- 裏面がある名刺は同じテンプレで2ページ目(または2アートボード)を作り、表裏まとめて1つのPDFに書き出します。
※Photoshop / CLIP STUDIO / Canva には「裁ち落とし枠」の概念が弱いので、テンプレは最初からデータサイズ97×61mm・350dpiで作り、内側に85×49mmのガイドを引いておくと同じ運用ができます。
ソフト別・PDF書き出し設定(入稿で一番事故るところ)
サイズが合っていても、書き出し設定を間違えると塗り足し0mm・フォント置換で差し戻されます。ここがミスの最多発地点です。
- Illustrator:「別名で保存」→形式「Adobe PDF」→プリセット「PDF/X-4」を選び、「トンボと裁ち落とし」タブ →「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェック。トンボ(トリムマーク)は入稿先の指定に従う(PDF入稿はトンボ無しが正のことが多い)。フォントはアウトライン化するか、PDFにそのまま埋め込まれる設定で書き出す。
- InDesign:「書き出し」→Adobe PDF(プリント)→プリセット「PDF/X-4」→「トンボと裁ち落とし」→「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェック。フォントは自動で埋め込まれますが、念のため書き出し後に確認を。
- Photoshop:キャンバスを97×61mm・350dpi・CMYKで作り背景を端まで塗る → 「別名で保存」→「Photoshop PDF」。Photoshopは裁ち落とし枠を持たないので、塗り足し込みのサイズで作ることが塗り足しの代わりになります。
- Canva:カスタムサイズ91×55mm(単位mm)で作成 → 「共有」→「ダウンロード」→ファイル形式「PDF(印刷)」→「トリムマークと塗り足し」にチェック。これで全周3mmの塗り足し付き(実質97×61mm相当)になります。チェックを外すと塗り足し0mmになるので必ずオンに。
- Word:「レイアウト」→「サイズ」→「その他の用紙サイズ」で97×61mm、余白0mm。仕上がり枠(91×55mm)の薄い矩形を目安に置き、書き出し前に消す → 「名前を付けて保存」→ファイルの種類「PDF」。ただしWordは塗り足し・CMYK・トンボの厳密な制御ができません。ネット印刷に正式入稿するなら、印刷所が無料配布するWord用テンプレートを使うのが最も確実です。
✓ 書き出せたか確認:当ツールにPDFをドロップし、サイズ97×61mm・塗り足し3mm・フォント埋め込みが揃えばOKです。
縦型名刺(55×91mm)を作るときの注意
縦型は仕上がり55×91mm → データ61×97mm。横型の数値を入れ替えるだけです。 ただしソフトによっては用紙の向き(縦置き/横置き)と数値が混同しやすいので、必ず 「幅=短辺55mm/高さ=長辺91mm」と幅・高さの実数で指定してください。 QRコードやSNSアイコンを縦に並べる構成が多いので、下端ギリギリに置かず、安全領域49×85mmの中に収めます。
入稿で差し戻されやすいポイント(先に潰す)
- 塗り足し0mm:仕上がり91×55ちょうどで作ってしまう。→ データは97×61で作る。
- 文字が端ギリギリ:断裁ずれで氏名や肩書きが切れる。→ 内側3mm(安全領域85×49)の中だけに置く。
- フォント未埋め込み:別環境で別の書体に置換される。→ アウトライン化 or 埋め込みPDFで書き出す。
- 解像度不足:ロゴや写真が72dpiのまま。→ 印刷は350dpiが目安。実寸で足りるか確認。
- RGBのまま:鮮やかな青・緑がくすむ。→ CMYKで作る/確認する。
- サイズ違い:A4のまま中央に小さく配置、など。→ ページサイズ=データサイズ97×61に合わせる。
名刺データで最後に詰まるのは、たいてい塗り足し・フォント・サイズのどれか。目視では気づきにくく、入稿してからの差し戻しは時間のロスです。 ネット印刷に出す前に、書き出したPDFを無料のプリフライトにドロップすると、 「塗り足し○mm/不足」「フォント埋め込み」「仕上がりサイズ」「ページ数(表裏)」を一括で判定します。 PDFはサーバに送られず、完全ブラウザ内・アップロード無し。未公開のデザインも安心して通せます。
PDFを発注前に無料チェックする →よくある質問
名刺の標準サイズは何mm?
日本の標準は91×55mm(横)。名刺ケースや財布に収まる最も無難なサイズです。縦型は55×91mm、少し小さい女性名刺は91×49mm、欧米サイズは89×51mmが一般的です。
入稿データは91×55と97×61のどっちで作る?
データは97×61mm(塗り足し込み)で作ります。91×55mmは「仕上がり(切られる位置)」で、断裁の目安。背景は97×61の端まで、文字は内側の85×49の中に収めるのが正解です。
トンボ(トリムマーク)は付ける?
デジタル入稿(PDF入稿)ではトンボ無しが正のことが多く、仕上がり+塗り足しのデータだけで入稿します。むしろトンボが残ると不備になる印刷所もあるので、入稿先の指定に従ってください。
無料ソフトだけで名刺データは作れる?
作れます。テンプレの多さならCanva(無料)、手元にOfficeがあるならWordでも可。塗り足しやCMYKを厳密に管理してネット印刷へ出すならIllustrator / InDesignが最も安定します。
表裏(両面)名刺はどう入稿する?
表→裏の順で2ページのPDFにまとめるのが基本です(印刷所により別ファイル指定もあり)。両面とも同じ97×61mmのテンプレで作り、ページ数が表裏で合っているかを入稿前に確認してください。
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最終更新:2026-06-29